社会福祉法人神愛会

身体拘束ゼロ推進マニュアル

 

 

愛の園は身体拘束ゼロを目指している施設です

 

1.私たちは、利用者個人の尊厳を守り、身体拘束ゼロを目指した介護を行っています。

2.私たちは、全職員一丸となって身体拘束ゼロの実現に取組んでいます。

3.私たちは、人員不足や安全確保を口実にした身体拘束は行いません。

4.私たちは、緊急やむを得ず行う身体拘束も、極めて例外的・限定的なものに止めます。

 

2003415

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


1. 身体拘束の弊害の理解

身体拘束の弊害は、身体的、精神的、社会的な側面がある。さらに拘束することで認知症が進み、ますます身体拘束をしなければならなくなり、一時的な拘束が常時の拘束するようになるといった悪循環が生じやすくなる。

(1)身体的弊害

関節の拘縮、筋力の低下、褥創の発生、食欲の低下、心肺機能の低下、拘束されることによる転落や窒息事故など。

(2)精神的弊害

本人の不安、怒り、屈辱、あきらめ、認知症の進行など。家族の混乱、後悔、罪悪感など。介護者のケアに対する誇りの喪失と士気の低下など。

(3)社会的弊害

介護保険施設に対する社会的な不信や偏見の助長。

 

2.身体拘束廃止の基本

(1)施設長、介護職員、看護職員、介護支援専門員等により身体拘束廃止委員会を構成し、随時開催して身体拘束の廃止に向けた検討を行う。

(2) 個々の利用者の状態を把握し、身体拘束を必要としない状態を作る。このため問題行動の原因を理解するように努め、それにあったケアの工夫を検討し実行する。

(3) 転倒、転落等、事故の起きないような環境を整備する。手すりを取り付ける、足元に物を置かない、ベッドを低くするなど、職員全員で助け合える柔軟な態勢をとり事故の防止に努める。

(4)身体拘束をしなければならないような場合も本当に代替の方法がないのかを検討する。漫然と拘束している場合は直ちに拘束を解除する。ケアの方法の改善、環境の整備など創意工夫を重ねる。省令にある「緊急やむを得ない場合」の身体拘束は極めて限定的に考える。

 

3.       やむを得ず身体拘束を実施する場合

(1)  以下の3つの条件をすべて満たす場合のみ、身体拘束を行うこと

がある。

@    切迫性                   利用者本人または他の利用者等の生命または身体が危

険にさらされる可能性が著しく高い。

A    非代替性               身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護

方法がない。

B    一時性                   身体拘束その他の行動制限が一時的なものである。

 

(2)  身体拘束を行う場合の方法と手続き

@    実施の判断            身体拘束廃止委員会において必要性を判断し、拘束の

内容について検討しケアプランを作成する。

A     家族の同意           身体拘束の内容(期間、方法等)について「緊急やむ

を得ない身体拘束に関する説明書」(別紙1)により、家族に書面をもって説明し、同意を得る。

B    実施の記録            身体拘束が実施される場合は、方法・時間・担当者等

について、「身体拘束経過記録」(別紙3)に記録する。

C 拘束の見直し       身体拘束実施中は、介護支援専門員は「緊急やむを得      ない身体拘束に関する経過観察・再検討記録」(別紙2)により、随時身体拘束廃止委員会に状況を報告し、可能な限り速やかに身体拘束を介助するための検討を継続して行う。

 

(3)  身体拘束廃止委員会において身体拘束の実施を決定していない利用者に対する夜間等緊急時の対応            

日中・夜間共に、決して安易に拘束を行うことなく、他の職員の応援を受けるなど、見守りによる対応を最優先して実施すること。

 

@    実施の判断            夜間等、緊急時の身体拘束実施に当たっては、必ず複

数の職員により、実施の判断を行う。

A    実施の記録            やむを得ないと判断した理由、利用者の状態、身体拘

束の方法・実施時間、担当職員名を、ケース記録等に記録する。

B    実施の報告            報告に伴い身体拘束廃止委員会を開催し、3−()

定める方法と手続きにより報告する。

 

 

身体拘束の具体的な範囲

@    徘徊しないよう、車イスやイス、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。

A    転落しないように、ベッドに体幹や四肢を紐等で縛る。

B    自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。

C    点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢を紐等で縛る。

D    点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、または、皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。

E    車イスやイスからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰ベルト、車イステーブルをつける。

F    立ち上がる機能のある人の立ち上がりを妨げるようなイスを使用する。

G    脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。

H    他人への迷惑行動を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢を紐等で縛る。

I    行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。

J    自分の意思で開けることができない居室等に隔離する。

 

 

このマニュアルは、2004810日から施行する。

このマニュアルは、200741日に一部改定された。

このマニュアルは、2016111日に一部改定された。

このマニュアルは、2017118日に一部改定された。

このマニュアルは、201841日に一部改定された。