社会福祉法人神愛会

介護事故予防マニュアル

 

 

このマニュアルは、当法人の事業所における介護事故を事前に予防し、また、その再発を防止することにより、利用者の安全を確保した安心・安全な介護を実現することを目的として定める。

 

A.  基本的な考え方

@   安全は全てに優先する。

A   事故が起きてもやむを得ないのではなく、危険を回避する責務があることを理解する。

B   利用者は、何らかの心身の障害があるため施設を利用していることを認識する。

C   利用者は、危険に関する判断・予測がつきにくいことを理解する。

D   全ての職員は利用者の事故に結びつくと考えられる事柄に関しては、職種、職制、業務上の責任範囲を超えて予防する責任を負うことを自覚する。

E   いかによい介護を行っていても、一度の大事故で全ての信頼を失うことを理解する。

 

B.  予防対策

1.施設長・管理者は事故予防の責任者として、事故予防のため以下の対策を行う。

@   事故予防のための組織およびマニュアルの整備

A   事故予防を主題とする職員研修および訓練の実施

B   事故予防のための施設・設備・車両等の環境整備

C   朝礼、職員会議等における職員に対する日常的な注意喚起

 

2.利用者の実態把握

@   利用者の個別ニーズに応じた日常生活支援計画を作成する。

A   日常生活支援計画について、利用者本人並びに家族と十分な協議を行う。

B   利用者個々の心身の状況、年齢、生活暦、障害の部位・程度、病歴等について、十分なアセスメントを行い、最適な介護方法、介護用品を提供する。

C   利用者の心身の状況の変化について、速やかに把握できる体制を整え、常に状態変化に対応した最適な介助方法を検討する。

D   徘徊行動が見られる利用者については、その行動様式について職員で周知する。

E   利用者家族との日常的なコミュニケーションに心がけ、信頼関係を構築する。

 

3.環境の整備

@   常に環境を整え、生活しやすい環境を提供する。

A   物品を整理整頓し、利用者の生活や移動を妨げない。

B   濡れた床等、転倒の原因となる状態を放置しない。

C   非常口や避難通路に物を置かない。

D   出入口の施錠を確実に行う。

E   使用しない部屋は施錠する。

F   薬品・刃物等、危険物の保管場所は施錠する。

G   火気使用場所に職員が不在となる場合は施錠する。

H   浴槽使用後は必ず排水する。または使用時以外は浴室を施錠する。

I   利用者の近くでは火気を使用しない。

J   室内ことに居室・浴室・トイレ等の清潔を保持し、採光・温度・湿度を適切に保つ。

K   不安定な家具等の転倒を防ぐ措置を行う。

L   備品等は正しく整備・使用し、正常に動作するよう、故障・破損・老朽化等に対応する。

M   ベランダ等に踏み台となるような机・イス等を放置しない。

N   扉の開閉がスムーズに行われるよう、日常的に点検・整備する。

 

4.生活上の予防策

@   利用者の背後から突然声を掛けたり、身体に接触したりない。

A   車イス停止時は、必ず両サイドのブレーキをかける。

B   介助による車イス走行は、フットプレート上に足を乗せ、両手を膝の上に乗せて行う。

C   外出時は、天候・温度を考慮した適切な衣類を着用し、また紫外線対策、水分補給等を行う。

D   食事の配膳は、対象者と配膳盆の氏名を必ず確認する。

E   介護・調理等業務の際は、適切な手洗いを励行する。

F   服薬は、「服薬管理マニュアル」に従い、服薬時間・方法・対象者を厳守する。

G   介助は「介助マニュアル」に従い、適切に行う。

H   一人で介助できない範囲の介助は、必ず応援者を依頼して2名以上で行う。

I   誤嚥を起こしやすい利用者を把握し、適切な食事手配と介助を行う。

J   心身の状況に応じた適切な衣類を着用する。履物は歩行状態に応じた適切な履物を使用し、転倒を予防する。

K   車両の運行前には、始業点検を実施する。

L   交通法規・法令を遵守し、安全運転を励行する。また、構内での車両速度は20Km以下とする。

 

C.  その他

このマニュアルは200641日から施行する。